トラ刈りオヤジのノラないハナシ

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zoom RSS Seiko Sonola

<<   作成日時 : 2013/09/29 23:51   >>

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たまに遊びに来る、(丑年のはずだから)もう88歳になる隣村の爺さんから柱時計の修理を頼まれた。 時間は正常に表示するが、時報を打たないとのことだった。
爺さんが持ってきた時はすでに時針や文字盤が外されていて、自分で直そうとしたあとだった。 モーターか何かが壊れたと思ったが手に負えないと考えて持ってきたそうだ。

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おぅ、こういう時計は昔見たことがあった。 振り子の一部である棒の往復運動をコイルが磁気駆動して時を刻む方式なのは知っている。 しかし実際の構造がどうなっているかを見たのは初めてだった。

さて、裏を見ると単一が2本入る電池ボックスがあって、新しそうなアルカリマンガン電池が入っている。 テスターで電圧を測ってみると2つとも1.5V以上ある。 でも負荷をつないだ時はどうなんだろうか。

ともかく時報を打たせるには、長針を12時の位置に合わせなければいけない。 長針だけを取りつけて12時に合わせると、カチっと音がして時報回路の接点が閉じた。 が、時報のモーターが動かない。 電池があるのかないのか確かめるために電池ボックスにテスター棒をあてた途端にボーンボーンと鳴りだした。

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なんのことはない。 電池を取り出して電池ボックスを見ると、時報側の端子(黄色の丸印内)が茶色や青色に錆びて接触不良だったのがわかった。 サンドペーパーで磨いてみたがかなり深い錆で全部は取れないので、半分程度金属が出たところでいい加減にして、あとは腐食が進まないようにミシン油で拭いておいた。

とりあえず故障は直ったので、興味は時計の構造に行く。 2本の電池はそれぞれ時計と時報打ちの別々の回路に分かれて使われていた。

時計の回路はトランジスタ1石で、向かって右がピックアップコイルで左が振り子の駆動コイルになっている。
ピックアップコイルはトランジスタのベースから400Ωの抵抗を通ってエミッタに接続されている。 駆動コイルはコレクタから1kΩの抵抗を通って電池に接続されている。 そしてトランジスタや抵抗が、昔なつかしい真空管時代のラジオやテレビで多用された、ラグ端子板で組みつけられている。

これだけの回路だ。 使われているトランジスタは2SB219、NECのゲルマニウムトランジスタだ。
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裏に銘板がある。 「セイコー・ソノーラ 時を打つトランジスタ掛時計」とある。 「ST-5501」はこの時計の型名か? その下の「HAT.NO.419124」は製造番号かな?
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それはさておいて、この裏板に書かれた日付を見てビックリした。
「昭和二十五年四月十二日入家」
入荷を入家と書き間違えたらしいが、この日に買ったということだろう。 なんと、63年間も動いていることになる。
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そして「昭和二拾七年四月二十二日開店」
じつはこの爺さんは、小さな鉄工所を経営していた。 この日は鉄工所を始めた日だったとのことだ。 以来ずっと、この時計は爺さんの鍛冶場で時を刻んでいたのだった。


今は住宅の居間に掛けているそうだ。


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柱にかけてまず5時の時報を確認。 さらに1時間待って6時の時報を打ったのを確認して、爺さんは時計を持ち帰った。



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コメント(13件)

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はじめまして、もしよろしければお教えください。
現在、故障した同型の時計を手に入れました。
修理代が高価なため、自分で行おうとネットで検索したところ、こちらのページにたどり着きました。
質問はトランジスタに関してです。
「2SB219」のB以下の数字は開発された順番を示すようですが、であれば、2SBであれば、それ以下の数字は気にしなくてよい、どころか、桁数が多ければ多いほど良いのでしょうか。

突然にぶしつけな質問で申し訳ありませんが、何卒宜しくお願いいたします。

くだん
2013/12/26 23:10
くだんさん、コメントありがとうございます。

ご質問についてですが、大まかに言って数字の小さいトランジスタは古く、数字の大きいトランジスタは新しいので、新しいトランジスタなら性能も良くて都合がいいように思えます。
しかし、この時計に使われていたトランジスタはゲルマニウムであり、現在一般的に手に入るシリコントランジスタとは、動作する電圧の基準(動作点)が異なるので、そのまま取り替えて動作するかはわかりません。
特にB(ベース)をゼロバイアスで動作させているので、シリコントランジスタではコイルの起動電圧が低くてコレクタ電流を流すまでには至らないかもしれません。

それでも物は試しに2SB(または2SAでも)のトランジスタがあるのなら交換してみてもいいかもしれません。

なお、故障の原因がトランジスタであることがはっきりしているのでしょうか。
動作を確認するにはテスターぐらい(できればオシロ)必要だと思います。
なんでもかんでも
2013/12/28 00:08
大変ご丁寧なお返事、ありがとうございます。
当方、電気には全く疎いのですが、折角なのでいろいろ勉強してしゅう試してみようと考え中です。
テスターは早速購入します。ありがとうございます。

故障の理由はトランジスタのみでは無い様です。
所々に断線が見られると共に、トランジスタ、抵抗、コンデンサーが青錆でひどく覆われていました。
このことから全交換しようと考え、調べている最中です。

トランジスタに関しては、規格表を確認する所まで理解でき、
http://d.hatena.ne.jp/jr2wzq/
同等品が手に入りそうです。
http://www.auction.co.jp/mem1/item/mem_itm_item.asp?LOT=1680027
各種抵抗とラグ板も、購入可能の様です。

電解コンデンサーに関しては、0.1MFDと記載があるのですが、これが手に入るのか確認中・勉強中です。
フィルムコンデンサーで代用可能との記事を確認したのですが、これに関して何かご教授いただければありがたいです。
またコンデンサーに隣接する抵抗について、抵抗値をお教え頂けると、大変ありがたく思います。

以上厚かましいお願いですが、よろしくお願いします。


くだん
2013/12/28 20:32
再度のコメント、ありがとうございます。

まず、断線と青錆は電池の漏液が配線材の内部を伝って起きたと考えられます。 修理は配線材を交換する必要がありますが、念のため全部を交換されると良いと思います。 それには配線を確実に把握しておいてください。

2SB371は同じゲルマニウムトランジスタですね。 有望だと思います。

0.1μFの電解コンデンサーですが、電池ボックスの大きいコンデンサーのことですか? これは当時を考えるとオイルペーパーコンデンサーまたはMP(メタライズドペーパー)コンデンサーのどちらかではないかと思いますので、フィルムコンデンサーがこの場にぴったりです。 電解コンデンサーのように極性を示すラインが入っていますが、これは「out side foil」を示しています。

コンデンサーと直列の抵抗は値が分かりません。(現物がないのでデジカメの画像を見て判断しています。ちょうど抵抗値の印刷のない面が写っているようです。)

このコンデンサーと抵抗の直列回路は、雑音防止や接点のスパーク防止を目的にする「スナバ回路」を構成しているようです。 この回路が電池に並列に入っているので、モーターからの過渡電圧が電池にかかるのを防ぐためのようですが、それだったら抵抗が不要のように思えます。 しかも0.1μじゃなく、0.5μなどの大きいものがいいと思います。

なお、ブログの中で手書きの回路図の画像には、モーター回路の一部に誤りがあるみたいです。 スイッチ周りが怪しいですがどうもデジカメ画像でははっきりしません。

なんでもかんでも
2013/12/28 23:35
ご丁寧なご回答、有難うございます。

配線材交換のご指摘、大変参考になりました。
漏液が配線を伝う可能性に関して、全く考えていませんでした。
またトランジスタに加え、時計のモーターも手に入れることができました。

コンデンサーについて、電池ボックスの大きいコンデンサーです。
0.5μと容量が大きな(耐電圧に関しても)フィルムコンデンサーで代替可能な理由についても、調べて理解しました。
スナバ回路についても同様に分かりました。
ただしアウトサイドフォイルに関しては、極性のないフィルムコンデンサーで極性を気にする理由が、まだ納得できていません。
フィルムコンデンサーの実物を見たことがないので分からないのですが、ネットで調べる限り、極性を示すラインが入っている写真が見つかりません。

ところで、お示しの回路図には、「100」と「0.1」の数字が認められます。「0.1」がコンデンサーの容量だとすると、100は抵抗のオーム数なのでしょうか。
部品取り・勉強用として?もう一台ソノーラをヤフオクで手に入れようかと思います。
何だかどこまでするつもりなのか、分からなくなってきました。

くだん
2013/12/29 23:11
くだんさん、熱が入ってきましたね。

電線については、例えばパソコンのバックアップ電池の漏液がリード線内を浸透してボードまで達し回路基板を腐食するなど、珍しくありません。 これは電線内部の、撚り合わせた銅の細線同士にすき間があるためです。

書きなぐりの回路図には100って書いてありましたね。 すみません、自分で書いておきながら見落としていました。 これは抵抗の100Ωのことです。 0.1はコンセンサーの0.1μFです。

アウトサイドフォイルに関してはここでは全く気にする必要がありません。 現代ではほとんど忘れ去られた言葉ですらあります。 高電圧・高インピーダンス回路、高周波回路、低ノイズ回路、精密回路などの中でも特殊用途では影響を考慮することもあるでしょう。

これはPDFのページですが、77ページにexternal foilとして英文で記述があります。
http://www.comcraft.co.jp/products/eurofarad/data/ht72-tech.pdf

なんでもかんでも
2013/12/30 11:57
資料のご紹介、ありがとうございました。
最初ドイツ語が出てきた時はどうしようかと思いましたが、よく見れば英語と同時表記だったので、なんとか理解できました。

抵抗の値について、有難うございました。大変助かりました。
しかしコンデンサーについては、0.1マイクロFではなく、0.1ミリFでした。
このため?フィルムコンデンサーでは適当が足らず、電解コンデンサーを選択するのが適当と思われました。
更に安全のため、容量の多い無極性のものを選択しようと考えました。
http://eleshop.jp/shop/g/g3CQ13I/
ここで疑問があるのですが、1.5Vの電圧に対し、20倍弱のものでも気にしなくてよいのでしょうか?
質問の意図は、コンデンサーの容量や耐圧は、大きいぶんにはどれだけ大きくても何の問題もないのでしょうか。
もう少しお付き合い頂ければ、有難く思います。

現在、色々興味が出てきたので、ゲルマラジオや一石のアンプを例に、原理を調べています。
僕は子供のころから機械に興味が持てず、もっぱら虫や動物が好きだったのですが、今調べてみると、要するにどちらも同じことなのだと感じます。
くだん
2013/12/30 22:20
くだんさん、あれはドイツ語だったんですか。 私は左側は分からなかったので右側しか見てなかったです。

さて、コンデンサーの単位ですが、普通は表記にミリファラッドは使いません。 100μFを0.1mFと書くのと等価ですが通常100μFと表記します。 10000μFだと桁数が大きくなり、10mFと書いた方が効率的ですが、やはり10000μFと書いてあります。(電気二重層コンデンサーでは0.33Fや1Fがあります。)

ソノーラの現物がないのでデジカメ画像を見ていますが、残念ながら読み取れません。 くだんさんの前のコメントでは0.1MFDと記載してあったとのことで、もしかしてこれをミリファラッドと解釈されたのではないですか? それだと「MF」は「μF」の当て字です。
それと、よろしければそのコンデンサーの動作電圧(耐圧)は何Vか教えていただけないでしょうか。

ただ、ここには100μFの電解コンデンサーを接続しても何の問題もないと思います。 ついでに100Ωの抵抗は使わずにコンデンサーをじかに電池ボックスの端子に接続すると、高い周波数成分の電圧変動を抑えてくれて良いと思います。
スナバ回路としての作用よりも、電圧変動を抑制する効果を期待したいですね。

コンデンサーの耐圧についてですが、大きければ大きいほど電気的には良いです。 が、耐圧の大きいものは形状も大きく価格が高くなるので、フィルムコンデンサーなら50V、電解コンデンサーなら6.3Vや12Vぐらいが現実的だと思います。 共立エレショップのページが張り付けてありましたが、このコンデンサーで十分です。

なんでもかんでも
2013/12/31 00:15
あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します。質問も年をまたいでしまいました。

0.1MFDをミリファラッドと理解したのですが、そうではないのですね。桁が10の3乗違うのかと思っていました。その業界や分野での常識を知らないと、とんでもない勘違いがあるので、やはり自学だけでは限界があると感じました。
 
電圧ですが、TV 1000 V.D.Cとあります。値の基準わからないので(柴犬なら体重が10kgくらいとか、自分の中に基準の物差しが出来ていないので)何とも言えませんが、高い値ですね。これも、耐圧が(直流の電圧で耐えられる限界が)千ボルトであると理解したのですが、間違っているでしょうか。
また「コンデンサーに抵抗を接続せず、高い周波数の電圧変動を抑える」が理解できていませんので(つまりスナバ回路の存在理由が)、引き続き調べます。
くだん
2014/01/01 10:00
あけましておめでとうございます

コンデンサーで通常使用される単位はpF(ピコファラッド)、μF(マイクロファラッド)、F(ファラッド)です。 mF(ミリファラッド)は見たことがありません。 でも最近はどうなんでしょうね。 nF(ナノファラッド)は積層フィルムコンデンサーなど一部の製品ではかなり以前から表記しているものがあります。

μFをMFに代えて記載することは、手持ちのフィルムコンデンサーにもあったので最近、と言っても30年ぐらい前まであったのではないかと思います。

ちなみに1より大きい単位は大文字、小さい単位は小文字で記載するようですね。 しかしキロはなぜか小文字です。

TVはテスティングボルトだったと思います。 DCは直流のことですからこのコンデンサーには交流を含まない直流1000Vをかけても耐えられるということです。 実際には交流が流れる回路で使われますので、特に周波数が高い回路ではコンデンサーの耐圧が低下するそうで、場合によっては相当に余裕を見る必要が出てきます。
WVという表記もあります。 これはワーキングボルトという意味で、動作電圧といったところでしょうか。
普段は数Vから20Vの回路電圧に、その数倍の耐圧があれば十分だと思ってフィルムコンデンサーを使っている(ちまたには50Vや100V、200Vのフィルムコンデンサーがほとんど)ので、そういった耐圧に関する意味に細かくこだわったことはないですね。 いずれにしても自分でも用語の意味はしっかり把握した方が良いとは思っているのですが。

なんでもかんでも
2014/01/02 00:25
ソノーラの修理関係でググってやってきました。
時計職人ではありませんが、中年のラジオ少年?です。
トランジスタの交換でしたら、ゲルマニューム小信号用でしたら
何でも大丈夫でしょう。うちのは日立のB75だっり松下のB175を
使っています。
日電の石を使っているのは知りませんでした。
緑青が出ているとのことで、電池でやられたのかもしれません
が、湿気でコイルの断線ということもあるかもしれません。
抵抗コンデンサの部品は、全数交換しても安いモノですが、
コイルは致命的です(私は経験ありません)
あと電池ボックスの接点の腐食等の接触不良ですね。
禿ぼうず
2014/01/02 17:08
コンデンサーに関して、詳しいご説明ありがとうございました。
数倍の耐圧があれば特に気にしなくてよいことも、理解しました。
別に、記載してあることを全て知る必要があるとも考えてはいないのですが、どこまで知ればよいのかいまいち基準がわからないので、難しいですね。
コンデンサーに関しては、電解コンデンサーではなく、適当な容量のフィルムコンデンサーを購入しようと思います。
またそうこうしてる間に、部品取りのソノーラが本日届きました。
まだ分解していないのですが、ぼちぼち手持ちのものと見比べてみようかと思います。

さて、これでほぼ当初の疑問・質問はし尽くしたと思います。
あとはネットで調べつつ、自分でがんばってみます。
またちょっと面白くなってきたので、これとは別にヘッドホンアンプでも作ってみようかと考えています。

この度は年末年始のお忙しい次期に長々とお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
くだん
2014/01/02 21:04
禿ぼうずさん、助言ありがとうございます。

そうなんです、くだんさん、コイルの状態はチェックしておいてください。 コイルからリード線が直接引きだしてある構造だと、電池の電解液がコイル内部にまで到達しているかもしれません。

幸いもう1台手に入れられたそうで、さてどちらのソノーラをリカバリしたらいいでしょうか。 楽しみですね。

コンデンサを原理から解説したサイトを見つけました。 よかったらご覧ください。
http://blog.venetor-sound.com/?eid=55

禿ぼうずさん、昔の電気少年ですね。 おもちゃ箱をひっくり返すと、なつかしい部品がゴロゴロしているとか?

なんでもかんでも
2014/01/02 22:04

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